オフィス家具のリースについて

オフィス家具のリースについて

リース事業協会が2005年に実施した「企業におけるリース利用調査」の結果によると、企業がリースを利用する理由(リースのメリット)、リースではなく購入する理由(リースのデメリット)は次のとおりである。 ※数字はその項目を選択した企業の割合を示す。

リース利用理由(リースのメリット)

  1. リース料の支払管理だけですみ、設備所有に伴う事務管理の省力化、コスト削減が図れる。(72.4%)
  2. 定額のリース料を経費処理できるため、コスト把握が容易であり、設備投資などの経営計画がたてやすい。(61.8%)
  3. リース料は定額で設備導入時に多額の初期費用が不要のため、高額の設備投資ができ、また経営資金を有効に活用できる。(61.5%)
  4. 設備の使用予定期間にあわせてリース期間を設定することができ、陳腐化にも弾力的に対応できる。(53.7%)
  5. リース終了時にリース物件を返還すればよいため、廃棄物処理法など環境関連法制に適正に対応できる。(40.9%)
  6. 購入よりもリースによる調達の方法が一般的だと考えている。(26.4%)
  7. 資産を持たないで収益を高めることができるなど、資産のアウトソーシング効果が得られる。(24.3%)
  8. 借入購入よりも契約手続が迅速のため、設備投資のタイミングが遅れることはない。(16.0%)

購入理由(リースのデメリット)

  1. 当面、更新を行わず長期間使用する予定である。(52.8%)
  2. 設備の購入資金にゆとりがある。(37.2%)
  3. 基幹的な設備のため自己所有の方が安心である。(35.8%)
  4. 借入購入の方がリースと比較して割安である。(30.6%)
  5. 特別償却制度を利用できる。(29.5%)
  6. リース期間中は解約が原則としてできない。(18.8%)

リースとは

企業は、製造、販売、輸送、事務、管理、研究開発など、さまざまな目的で事業経営に必要な設備を調達しますが、リースというシステムが導入される以前は、自己資金または借入金によって調達していました。

しかし、資金力が乏しいあるいは信用力が低い企業は、設備資金を十分に確保することができません。そこで、設備を「購入する」ことではなく「使用する」ことが設備投資の本来の目的であることに着目し、新たな設備調達手段として米国で誕生したのが「リース」です(米国で最初のリース会社設立は1952年)。

「リース(LEASE)」とは、「賃貸借」を意味する英語です。米国では、新たなリースが誕生する以前から、住宅やオフィスの賃貸借を「LEASE」といい、現在でもその言葉が使われています。

したがって、新たな設備調達手段であるリースは、賃貸借(LEASE)と区別し、ファイナンス・リース(またはファイナンシャル・リース)と呼ばれるようになりました。 ファイナンス・リースが、日本に導入されたのは1963年のことです。

日本では、単に「リース」と表現されていますが、「リース」というときは一般にファイナンス・リースのことを指しています。 日本において、「リース(ファイナンス・リース)とは、企業等が選定した設備等をリース会社が取得して、その企業等に比較的長期間賃貸する取引である」と、一般に説明されています。

ファイナンス・リースは、設備資金を貸し付ける(借りる)のではなく、設備そのものを賃貸する(賃借する)取引ですが、もともと、設備資金調達の代替手段として構築されたもので、その取引の仕組みや契約の内容は通常のリース(賃貸借)とは異なっています。

しかし、リース(ファイナンス・リース)は、日本の制度や慣行の中で、次第に米国のリースと異なる特徴を持つようになりました。つまり、日本においてもファイナンス・リースは、設備資金調達の代替を出発点としたものですが、リース期間中におけるリース会社のサービスや、リース期間終了後のリース物件処理における実務などを考慮すると、日本におけるファイナンス・リース取引は、資金調達の代替手段ではなく、賃貸借性・サービス性が強いと言え、米国におけるファイナンス・リースと同一に位置付けることはできません。

リースの仕組み

ファイナンス・リース取引の手順は、おおむね次のとおりです。

  1. 設備等(リース物件)の選定
  2. リースの申込み・ユーザーの信用等審査
  3. リース契約の締結
  4. リース物件の売買契約の締結
  5. リース物件の搬入
  6. リース物件を検査した後、物件借受証を発行 (リースの開始)
  7. 物件代金の支払い
  8. リース物件の保守契約の締結

ファイナンス・リースの特徴と賃貸借・レンタルとの相違の比較表

ファイナンス・リース 賃貸借・レンタル
対象物件

ユーザー指定の物件で、ユーザー指定のサプライヤーからリース会社が新たに取得したもの。ほとんどすべての機械設備、ソフトウエアが対象となる(税務上売買として扱われる土地・建物・建物附属設備・構築物を除く。)。

賃貸人保有の不動産、動産が対象。動産は在庫品の中から選択するため、不特定多数が使用できる汎用性のあるもの(例えば、企業向けには建設機械、測定機器、絵画、観葉植物、個人向けには自動車、パソコン、ビデオ、CD、家具・寝具、介護用品、旅行用品など)。

契約期間

比較的長期。税務上、賃貸借処理できるリース期間は、耐用年数の70%~120%(パソコンの場合、2年~5年)。この期間内でユーザーが希望するリース期間を設定する。

土地の場合はかなり長期。オフィスや住居の賃貸は2年契約が一般的。動産の賃貸は比較的短期で、時間・日単位の契約が多いが、数ヵ月あるいは1年を超える契約もあり、契約期間は使用目的(一時的使用か一定期間の使用か)によって異なる。

賃借料

ユーザー指定で新たに取得した物件を対象とするため、リース料は、そのユーザーとのリース契約期間中に、物件代金その他の費用が全額回収できるように設定される。

一つの物件について、不特定多数の人を対象に複数回賃貸することを予定し、それによってその物件に投下した資金と諸費用が回収できるよう、賃借料(レンタル料)が設定される。

物件の引渡し

サプライヤーが物件を直接搬入し、ユーザーは物件を検査した後、「物件借受証」をリース会社に発行、これにより引渡しが完了する。

賃貸人が物件を引渡す。

解約

リース期間中の解約(中途解約)はできない。解約する場合には、残リース料または残リース料相当額の違約金を支払う。

一般的に、賃借人は解約権を有する。ただし、土地、建物、その他比較的期間の長い契約のときには、解約できない期間(契約日から所定の期間)、解約予告期間(解約申し出から解約日までの期間)を定める場合がある。

物件の修繕等

ユーザーが物件の修繕義務を負い、サプライヤーとの間で保守契約を締結する。

賃貸人が物件の修繕義務を負う。

物件の瑕疵

リース会社は瑕疵担保責任を負わない。ただし、リース会社の承認を経てユーザーはサプライヤーに対して損害賠償等を請求することができる。

賃貸人が瑕疵担保責任を負う。

危険負担

物件が滅失・毀損した場合、ユーザーが損害を負担する。ただし、通常、リース物件には保険が付されているため、損害の大部分は保険でカバーされる。

物件が滅失・毀損した場合の損害は、賃貸人が負担する。賃借人は賃借料の減額請求または契約を解除することができる。

契約の更新

リース期間終了後、リース契約を更新(再リース)することができる。再リース料は割安となる。

賃貸借(レンタル)期間終了後、同一条件または新たな条件で契約を更新することができる。

リース会計基準におけるファイナンス・リースの定義

借手がリース物件の経済的利益を実質的に享受しコストを実質的に負担することをフル・ペイアウトといいます。

すなわち、会計基準では、解約不能かつフル・ペイアウトのリースをファイナンス・リースと定義し、以下の5つの要件を満たすリースがこれに該当するとしています。

  1. リース物件の所有権が借手に移転するリース
  2. 割安購入選択権付リース
  3. 特別仕様物件のリース
  4. リース料総額の現在価値がリース物件購入金額の90%以上
  5. 解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数の75%以上

(「リースの会計・リース会計基準」を参照)
上記は、会計上、借手での資産計上を要求するリース(割賦と同様に取扱うリース)の基準で、主として米国のファイナンス・リース取引慣行をベースに規定されたものです。

日本の場合、上記①②に該当する取引は、税務上も売買として取扱われ、会計基準ができる以前から取引当事者はリースではなく売買として認識しています。

また③の場合も、税務上、原則として売買として取扱われています。したがって、④と⑤のみが日本のファイナンス・リース取引慣行とおおむね一致しているといえます。

このように、米国と日本とでは、ファイナンス・リース取引の慣行は異なっていますし、リースに対する考え方にも違いがみられます。その違いを明確に表しているのが、リース料に含まれる諸費用の違い(つまり、リース期間中におけるリース会社のサービスの違い)と、リース終了後の物件処理の違いです。

したがって、リース会計基準のファイナンス・リースの定義や要件をもって、日本のファイナンス・リースと位置付けることはできません。

法人税法施行令で規定するリースの定義 法人税法施行令第136条の3第3項において、リース取引とは、資産の賃貸借で次の要件を満たすもの、と定義されています。

  1. リース期間の中途において契約を解除することができないものまたはこれに準ずるもの。
  2. 賃借人がリース資産の経済的利益を実質的に享受することができ、かつ、リース資産の使用に伴って生ずる費用を実質的に負担するもの。

上記のリースの定義は、リース会計基準と同じです。

法人税法では、ファイナンス・リースという用語を使用していませんが、これはファイナンス・リースを意味し、いわゆるファイナンス・リースは、賃貸人が、リース資産に投下した資金の全額をリース期間中にわたって賃借人から回収しようとするもので、リース料総額が、リース物件価額とリース取引にかかる諸費用の90%以上の場合はこれに該当する、と説明されています。(上記90%は会計基準のファイナンス・リース要件の④と同じ。)

なお、法人税法施行令は、いわゆるファイナンス・リースのうち賃貸借処理を認めると課税上の弊害が生じると判断されるものについて、税務上、売買または金融として取り扱うことを定めていますが、次のとおり、会計基準におけるファイナンス・リースの要件とは必ずしも一致していません。

売買として取り扱うリース取引

  1. 譲渡条件付リース(会計基準の①と一致)
  2. 割安購入選択権付リース(会計基準の②と一致)
  3. 専属使用資産(土地、建物、建物付属設備、構築物、専用機械装置)及び識別困難な資産のリース(専用機械装置は会計基準の③と一致)
  4. リース期間が耐用年数の70%未満または120%超

金融として取り扱うリース取引

  1. 実質的に金融取引と認められるセール・アンド・リースバック

ファイナンス・リース契約の条件

リース期間

税法上、賃貸借処理が認められるファイナンス・リースのリース期間は、耐用年数の70%以上120%以下(耐用年数が10年以上の場合は60%以上120%以下)であり、この範囲でリース期間を設定する必要があります。例えば、耐用年数4年のパソコンの場合、2年~5年(※)が賃貸借処理可能なリース期間となります。 (※) 最短リース期間 : 4年× 70%=2.8年(端数切捨て)=2年 最長リース期間 : 4年×120%=4.8年(端数切上げ)=5年

リース料

リース料には、物件価格、金利(リース会社の調達コト)、固定資産税、保険料(動産総合保険等)、リース会社の管理費・利益が含まれ、これらの合計をリース期間の月数で割ったものが、毎月の支払リース料となります。リース料は使用料ですから、貸付金とは違い金利等を区分表示することはなく、リース契約書には「月額リース料」が明示されます。 月額リース料=(物件価格+金利+固定資産税+保険料+管理費・利益)/リース期間(月数) 尚、リース料には消費税が課され、ユーザーは月額リース料と消費税相当額を併せて支払うことになります。

リース物件の引渡し・使用・リース料支払

リース物件は、サプライヤー(物件の販売会社)から直接ユーザーのもとに搬入され、ユーザーは物件の内容を検査し、物件に瑕疵(欠陥)がなければ「物件借受証」をリース会社に発行します。これによりリース会社からユーザーへのリース物件の引渡しが完了します。通常、物件借受証発行日がリース開始日となり、ユーザーはリース料を支払い、リース物件を使用することができます。

リース期間中の主な留意事項

リース期間中は原則として解約することができませんが、当事者双方が合意して解約する場合、ユーザーは残リース料または残リース料相当額の違約金を一括してリース会社に支払います。リース物件の保守・修繕はユーザーが負担して行います。リース物件に瑕疵があった場合、リース会社は、ユーザーのサプライヤーに対する損害賠償等の請求に協力します。リース物件が、リース会社・ユーザー双方の責任によらないで滅失、毀損した場合の損害は、ユーザーが負担します(損害の大部分は保険でカバーできます。)。契約違反(リース料の不払い等)は契約の解除事由となります。

リース終了時の選択

リース期間が満了するとリース契約は終了します。通常、リース期間満了の2~3カ月前に、リース会社からの通知が来ますが、その際に、引続きリース物件を使用したいときは「再リース」を選択し、契約を終了するときは、ユーザーの負担で、リース会社が指定する場所にリース物件を返還します。